中高年以降の女性に多くみられる変形性膝関節症ですが、治療法の1つとして、ヒアルロン酸を注射器で注入するという方法があります。
確かにその場では痛みを和らげることができるのですが、「いつまで続ければいいの?」という声をよく聞くのも事実です。
竹原メディカル整体院では原則として、変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注射をおすすめしていません。今回の記事では、その理由について解説します。
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症は、膝関節にみられる変形性関節症の一種です。主に中高年以降に発症しますが、特に女性に多くみられる傾向があります。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症の原因としては、加齢や体重増加、運動不足、筋力の低下、軟骨のすり減りなどがあげられています。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症を発症した場合、膝の内側に痛みがみられます。最初は運動時に痛みが出たり、動作を開始するときに痛みが出たりする程度ですが、末期になると日常生活にも支障を来すようになります。
ヒアルロン酸注射とは
膝関節には関節包があり、その中を関節液が満たしています。関節液の中にはヒアルロン酸が含まれており、膝関節をスムーズに動かしたり、外部からの衝撃から守ってくれたりといった働きをしています。
ところが、年齢とともにヒアルロン酸の産生量が減少すると、膝の骨と骨がぶつかり合ってしまい、変形性膝関節症にともなう痛みを発すると説明されています。
ヒアルロン酸注射によって、関節液内のヒアルロン酸量を増やすことによって、再び関節の保護機能や運動機能が取り戻せるとされています。
ヒアルロン酸注射をおすすめしない理由
竹原メディカル整体院では、「原則として」ヒアルロン酸注射をおすすめしていません。その理由としては、次のようなことがあげられます。
治すための施術ではない
変形性膝関節症を発症し、ヒアルロン酸を注射している方はたくさんいらっしゃいます。ただ、ヒアルロン酸を注入することによって、変形性膝関節症が根本的に改善することはありません。
なぜなら、変形性膝関節症のほとんどが、ヒアルロン酸の産生量減少と関係なく発症するからです。変形性膝関節症の本当の原因については、後程詳しく解説します。
徐々に効果がなくなってくる
ヒアルロン酸を注射器によって注入したとしても、そのうち体内に吸収されてしまい、徐々に効果がなくなってきます。また、中等度から重度の変形性膝関節症であった場合、ヒアルロン酸注射をおこなってもあまり効果が得られません。
根本的な改善を遅らせる
変形性膝関節症にともなって痛みが現れるのは、膝関節周囲に炎症が起こるからです。炎症というと悪いイメージをお持ちの方も多いと思いますが、炎症が起こることには理由があります。
身体の傷ついた場所には、ホルモンの一種であるプロスタグランジンが集まってきます。それによって痛みと熱が出るのですが、その痛みと熱は治癒反応に他ならないのです。
それを痛み止めやヒアルロン酸注射によってごまかしてしまうと、かえって治癒を遅らせる結果となるのです。
皆さんもよくご存知だと思いますが、風邪を引いたときに熱が出るのは、身体がウイルスを除去しようとしているからです。
熱が出たときに解熱剤を服用してしまうと、かえってウイルスの排除に時間がかかってしまい、風邪が治りにくくなります。変形性膝関節症とヒアルロン酸の関係もそれと似たようなものです。
変形性膝関節症のウソ!症状の本当の原因は?
実は、変形性膝関節症の多くは、骨の変形や骨同士がぶつかることで起こるものではありません。そこで、変形性膝関節症に関する誤った情報と、本当の原因についてみていきたいと思います。
加齢のウソ
変形性膝関節症の多くは加齢だと説明されますが、本当に加齢が原因だとしたら、お年寄りのすべてに変形性膝関節症がみられるはずです。
また、片足にだけ変形性膝関節症がみられる場合、加齢は合理的な理由とはなりません。当たり前ですが、右足と左足は同じ年数を経てきているわけですから。
骨同士がぶつかってみ痛みは出ない
変形性膝関節症に関するよく聞かれる説明に、「軟骨がすり減って骨同士がぶつかっている」というものがあります。
実は、骨には痛覚が存在しません。ということは、骨同士がぶつかり合っても痛みは生じないのです。もし骨に痛覚があるのなら、骨折したときに金属でつなぐなどできるわけがありませんよね。
痛みの本当の原因は筋緊張
変形性膝関節症を発症している方のほとんどに、太ももの筋緊張がみられます。太ももの筋肉が硬くなることで、筋肉が付着している膝の骨を引っ張り、それが痛みへとつながるのです。
その場合、膝の筋緊張を緩めることで、症状の緩和につなげることが可能です。それと同時に、筋緊張の原因となる身体のゆがみを取り除くことも重要です。
変形性膝関節症なら竹原メディカル整体院へ
竹原メディカル整体院では、できるだけ手術をせずに、変形性膝関節症の改善を目指しています。多くの変形性膝関節症は筋緊張が原因となっており、手術をしなくても改善が期待できます。
もちろん重度の変形性膝関節症であれば手術をおこなった方がよいケースもありますが、なるべく初期の段階で筋緊張を取り除き、重症化させないことが重要です。